町と街の違い!同じ「まち」だがこんな使い分けが!

雑学

市街地

「町」と「街」って、どちらも訓読みで「まち」ですよね?

「まち」とひらがなで書いて想像するのは、東京や大阪のような大都市と言わないまでも、そこそこ住宅や商店があって、要するに人が集まっているというイメージがあります。

シムシティA列車で行こうというゲームをやっていると、建物ができてきて発展しつつある、という感じでしょうか(笑

 

少なくとも、「田舎ではない」と管理人は思っていました。
あえて区別するなら、「街」の方が都会でしょうか…?

この機会に街と町の使い分けについて知っておこうと思い、記事を書きました。よろしければお付き合いください。


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辞書で調べてみる

わからない言葉が出てきたら、辞書で調べるのがセオリーです。

kotobank で「町」を調べてみたら、「街」と一緒になって次の通りでした。

まち 【町/街】
1 住宅や商店が多く人口が密集している所。都会。「―に住む」
2 (「街」とも書く)商店の並ぶにぎやかな場所。市街。「―をぶらつく」
3 地方公共団体の一。市と村の中間に位する。→ちょう(町)
4 市や区を構成する小区画。
5 田の区画。区画されてある田。
6 人家が密集し、道路で分かれた一区域。「中宮の御旧(ふる)き宮のほとりを、四―を占めて造らせ給ふ」〈源・少女〉
7 物を商う店の集まった場所。市場。「帷(かたびら)を脱ぎて童子に与へて―に魚を買ひに遣りつ」〈今昔・一二・三五〉
8 宮殿または邸宅内の一区画。「姫君のおはします―は…さまことに造りみがき」〈夜の寝覚・五〉

 

両方一緒じゃあまり答えになってないですよね?(^_^;

だったら、漢字そのものの意味を知るため、漢和辞典を引いてみました。

・町(まち・チョウ)
村より大きく市より小さい地方自治体
距離の単位、1町 = 60間 = 約109メートル
・街(まち・ガイ)
巷(ちまた)、四つ辻(十字路)、四方に通ずる大通り

 

「町」についてはナンノコッチャですね。「村と市の間って、そんなの当たり前やん!」と突っ込みたくなります。

一方、「街」については「大通り」という言葉がありますね。

また、kotobank と併せて見ると「にぎやかな場所」という意味で使っても良さそうです。英語の avenue や street の意味にも近いです。

街と町、こうして使い分ける!

2つの漢字の使い分けについて、管理人は次のように整理してみました。

音読みの場合は迷う必要なし!

音読みすれば、町は「チョウ」、街は「ガイ」です。熟語としてこの読みの通り使うなら迷う必要はありません

  • 町(チョウ)と読むケース:
    町人、町会、兜町(固有名詞、東京証券取引所のある地名)、…
  • 街(ガイ)と読むケース:
    地下街、繁華街、電気街、学生街、ビジネス街、…

用法の決まっている訓読みはそれに従う

訓読みで「まち」と読ませるケースが厄介ですが、既に言葉として確立しているのであれば、それに従います

例) 城下町、門前町、港町、街コン、街角、町奉行、

これらを、城下街、門前街、港街、町コン、町角、街奉行と書くのは誤りです。(奇をてらって、町コンと書くのはOKかもしれませんが)

ここまでの話をまとめると

町の字は「田」と「丁」からできたと言われるように、田んぼの区分けが元々の意味らしいです。そうすると、さっきナンノコッチャと言ってしまいましたが、市町村という行政単位の区分けの意味に立ち返るのが自然と思います(;´Д`)

すると確かに、城を中心に発展した城下町、社寺を中心に発展した門前町で使われている「町」は行政区分であると言えます。江戸時代の町奉行も、町という区分けで行政を取り仕切った役所(役人)です。

 

一方で「街」は、町の中でにぎやかな場所、もしくはその道路を指すと思えばよいでしょうか。地下街、市街地、学生街…いずれも寂しそうなイメージはありません。
(シャッター通りの商店街という例外もありますが、かつてはにぎやかだったと思うことで許してもらいましょう)

いしだあゆみさんの有名な歌「ブルーライトヨコハマ」も、♪街の灯りがとてもきれいね ヨコハマ… という歌い出しですね。横浜の夜景なので、にぎやかな場所に違いないでしょう。

書き手のセンスに委ねられる場合

以上のことを踏まえて、書き手のセンスで言葉(漢字)を選ぶ場合、どんな使い分けになるでしょうか?

 

ここで一つ例を紹介します。

管理人が高校生のとき、国語の時間に詩を作る課題がありました。一人の生徒が、雨に濡れる風景をお題に選びました。その詩自体は忘れてしまいましたが、こんな表現で締めていたと記憶しています。

「…… 雨に濡れる街」

 

これを見たとき、雨模様で地面も建物も濡れている、おそらく雨が降って相当の時間が経っているんだろうと思わせる市街地の風景が思い浮かびました。

作者の表現したかったことは「町」では伝わらなかった気がします。晴れていれば多くの人で往来する市街地(繁華街)が、雨が降るこの日はすこし物寂しかったということを表現していました。

まとめ

町と街の違いについて、辞書からの引用と管理人の考えをまとめてみました。

町というと行政単位としての「まち」、街というと町の中でのにぎやかな場所、またはにぎやかな通り。

皆さんが「まち」と言って真っ先に想像するのは「町」ですか、それとも「街」ですか?
センスを発揮して使い分けてみてはいかがでしょうか?


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