部活内いじめの対応と成功例!親の勇気と学校との連携で解決

中学・高校

いまだ学校内における見過ごせない問題の一つとして、「いじめ」の問題がありますよね。

いじめというとクラス内でのものを最初に思いつくでしょうが、中学・高校では部活という集団にも属すことになり、部活内でのいじめも問題となっています。

まして、先輩、後輩という上下関係がある中、体育会系の部活では後輩は先輩の言うことを黙って聞くものだ、ということが暗黙の了解のように言われています。

このような環境では、「指導」という名の下に部活内でのいじめが起こりやすい状況にある、と言えるかもしれません。

 

記事では息子が部活内いじめに遭っていた母親の体験談を紹介します。いじめの問題に迅速に対応し、1ヶ月ほどで問題を解決した成功例です。どうぞお付き合いください。

 

体験者プロフィール

息子が中学3年のときに部活内いじめに遭った。卓球部に所属し、二軍だったが、2年生までは楽しんで部活を続けていた。母親である私も特に心配していなかった。

 


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部活内いじめを迅速に解決する方法とは?

いじめは時間が経って、こじれて陰湿さが増してしまうほど解決が困難といえます。

体験者はいじめ問題を解決したのですが、成功の裏には以下の要素がありました。

  • 早い段階で部活内でのいじめに先生が気付いた
  • 被害者の母親たちと学校が連携していじめ対策を講じた
  • 公立中学だったため、顔見知りのママ友ネットワークを駆使した

この3つをまとめると、早い段階で多くの大人を巻き込んで解決に向かって動き出したことが、いじめ解決の勝因といえると思います。

 

では、体験談を紹介していきましょう。

被害者の子が中学3年に進級した4月から話が始まります。

 

前年に学校内で問題になったことがあって、その春に校長先生を始めとして通常より多くの先生が転勤となりました。ところが、彼らが春休み前に異動し、新しい先生たちが赴任して顧問が決まるまでの三週間で部活(卓球部)の中の空気がおかしくなりました。

部長・副部長が暴走して下級生をこきつかい、数名のおとなしい生徒をターゲットに眼鏡を壊したり、ラケットを捨てたりという悪質ないじめを展開

 

厳しい顧問の先生がいなくなった反動でしょうか、そういう大人の目が届かなくなったことで部室にお菓子やジュースが常備されるような無法地帯になっていきました。吸った形跡はなかったものの煙草も発見され、大問題になりました。

 

GW直前に学校から電話がかかってきて「お母さん、〇〇くん(息子の名前)から聞いていませんか? 無くなったラケットがゴミ箱から見つかったんです」と言われて驚きました。本人に確認すると「心配かけると思って言えなかった」というのです。

近所にいる同じ卓球部の男子のお母さんに確認すると、彼女らも驚き、子供らに聞いてみたら、「でも俺はやってなかった」という子が出てきて、その子のお母さんが大激怒。我が家に謝罪に訪れたり、実際いじめ側にいた子のお母さんがさらに大激怒して学校を巻き込んで大問題となりました。

 

それまで比較的安定して荒れた様子も見えない学校だったので、正直驚きました。しかし、学校の先生方もまだ入れ替わりのゴタゴタから落ち着いている様子が見えなかったので、ちょっと信用することが出来ませんでした。学校側による調査やその反省会などにもガンガン介入させてもらいました。

 

 

先生方の異動によるゴタゴタで部活動に先生の目が届かなくなり、暴走した部長・副部長がいじめの首謀者になったようです。

被害に遭った生徒は3年生なので下級生ではありませんが、いじめの存在を母親に言えなかったことから、おとなしい生徒だったのでしょう。

 

3年生は夏休みを最後に部活を引退し、高校受験へ向けて進みます。この高校受験という一大イベントと切っても切れない関係の「内申書」についてこんなやり取りがありました。

 

発覚がGW直前でしたが、連休中にも練習や試合が組まれていました。しかし、こんな状態では安心して部活はやらせられない、と被害者側が主張して半月間の部活停止が決定するなど夏休み前の大会を控えた状態で混乱しました。(被害者はうちの息子とあと二人。それからパシリに使われていたらしい当時の二年生数名)

また、首謀者は部長・副部長で今まで問題なしと言われてきた優等生でした。受験を控えた時期でもあり『こんな連中でも内申書には被害者よりも高い点数が付くのか?!』と激怒する保護者も続出で、とても空気が悪くなりました。(部長・副部長には内申点の加点があるのです)

 

いじめの加害者なのに、部長というだけで内申書の加点がされるのでは納得がいかないでしょうね。

 

部活内いじめをどうやって解決したか?

では、体験者が部活内いじめをどう解決したかを見ていくことにしましょう。

ここでのキーポイントは学校がいじめの存在を認め、親と学校が早急に対策を講じた点にあるでしょう。

 

新しく顧問になった先生が『目が行き届かなくて申し訳ありませんでした』と謝罪しました。顧問の先生は、赴任したての校長と一緒に早急に保護者を集めて情報収集と報告会を開き、連携を密にしました。

親たちも団結し、連休中に終わらせよう!ということでどんどん学校に集まるようになりました。

連休とは思えない忙しさとなりましたが、子供たちはほっとしたようで、空気が変わりました。部長・副部長は一応反省したように見え、頭を下げたので被害者側も壊されたメガネの弁償などを含めて話を収め、必要以上に絡まないことなどを約束させて収束としました。

 

 

加害者の部長・副部長とその親たちはこの部活内いじめについてどう対応したのでしょうか? これについては続きをご覧ください。

息子は罵倒や酷いからかいはあったものの、物理的被害はラケットを捨てられただけでした(先生が発見して確保してくれた)。しかし、主犯が部長・副部長で下級生(当時二年生)を使ってやらせていました。

そこで、私は『なぜそういうことをするのかが全く理解できないので、私を納得させられるだけの答えを教えろ』とその二人と直接話をする機会を学校に依頼して作ってもらいました。

 

大変残念なことに、彼らの親はこの一連の流れの中で一度も学校にも家にも姿を見せることはありませんでした。詫びや謝罪の一言も行動もなかったことで学年の保護者たちからは完全に孤立していましたが、それ以前にも「仕事が忙しい」ということで役員活動なども殆ど関わっておらず、完全に遠巻きにされる結果となりました。

 

私の前に並んだ主犯二人は『なぜこんなことをしたのか?』という問いに答えることはできず下を向いて泣くばかり。『君らがどんな大人になったとしても私ややられた子たちやその親たちは一生忘れないよ』というと号泣していました。

そこまで釘を刺して話は終了させました。学校側にも再発防止と厳しめの指導を続けてもらうことを約束してもらって、長かったGWを終わらせ、親たちも皆で通常モードに戻していこう、ということになりました。

 

この加害者生徒の様子を見てみると、2つのことを読み取れると筆者は考えました。

1つ目は、「下を向いて泣くばかり」とあるように、中学3年の思考回路はまだまだ子供だということです。自分たちが下級生をつかっていじめをしたことの説明を満足にできていません。

まぁ…いじめに至る原因というのは、大した理由がないのがほとんどです。おとなしいとか、無口だとか、スポーツや勉強が苦手だとか、そんな感じの理由です。

だから、体験者から加害者生徒に「なぜうちの息子をいじめたのか?」と問いただしても答えられなかったのでしょう。結局、ただ泣くだけ。

 

2つ目は親が一切出てこないということです。問題行動にいたる生徒は、その家庭環境(つまり親)に何らかの問題があることが多いです。

例えば、両親が不仲であるとか、仕事が忙しすぎて子供と向き合う機会がない、といった点ですね。子供は親に構ってほしいから問題行動にいたってしまうというパターンです。

体験者からすれば、「説明できない子供に代わって親が出て説明なりお詫びをせよ」といった心境でしょう。子供の不始末に顔を出さないのは、子供に関心がないのかもしれません。それが仕事の多忙によるものだったとしても、親として許されるものではないと考えます。

 

子供が部活を辞めたいと言ってきたら

いじめが長い期間にわたっていたり、学校(先生)に相談しても改善の見込みなさそうと子供が判断すると、「部活を辞めたい」と言い出すかもしれません。

筆者は、逃げることも一つの解決策と考えます。

運動部であればその競技、文化部であればその活動を続けることより、いじめを受けることのストレスの方が大きければ、部活を辞めるものアリです。

いじめは辛いが、部活の内容が好きな場合は厄介ですが、その場合は親や先生に相談するのがよいと思います。ただし、あくまで決めるのは子供であること。親や先生が「ガマンしてでも続けろ」と言うのはダメです。(続けさせるなら、大人がいじめの問題を解決するのが先です)

 

まとめ

体験者はいじめ問題の解決の勝因として次のように語っています。

少なくとも親が声をあげなければいじめは悪化して、もっと傷つく子供が増えたと思われます。前年に学校で問題が起こったこともあって、先生方も真摯に対応してくださっていたと思います。
とにかく迅速に情報を集めて複数の方向から事実関係を取りまとめて、多くの大人たちを巻き込んだのが勝因だったと思います。公立中学校だったので、小学校時代からの役員経験やママ友ネットワークを駆使して、短期に収束するところまでひっぱったのが良かったのだと思います。

 

中学3年生、15歳は良くも悪くもまだまだ子供です。子供達を「管理」するのではないけれど、ちゃんと「見守って」いかなければいけない時期であるといえます。

もし学校でいじめ問題が起こっていたら、解決のための参考にしてみてくださいね。


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