夏至と言えば昼の時間が一番長い日ですよね。東の北海道と西の九州・沖縄で差はありますが、朝の4時台には日の出を迎え、夕方は7時を過ぎてもまだ薄明るいです。
夏至と真反対の冬至にはゆず湯に入って、かぼちゃを食べるという風習が今でも残っていますが、夏至には何かを食べるとか、何かをするってあまり聞かないですよね?
ちなみに関西では夏至の日にタコを食べるそうですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか?
気になったら調べたい性格なので、早速調べてみたいと思います。
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夏至と農作業との関係
夏至と食べ物の関係を探る前に、まずは夏至と農作業の関係を見ていきましょう。
食べ物がスーパーやコンビニで容易に手に入る現代と違って、昔は食べることと農作業は切っても切れない関係だったいえます。
実は、夏至は農作物を作るうえで昔からとても重要な時期でした。
現在の農業は機械化し、田んぼに水を引くのも設備が整い、昔ほど時間がかからなくなりましたが、まだまだ全てが人力で行われていた頃は、田植えは夏至の時期に行っていました。
というのも、田植えに必要な水を田んぼに引く設備がないので、梅雨で田んぼが水に満たされるまで田植えが出来なかったからです。
夏至から数えて11日目を半夏生(はんげしょう)と呼びます。この時期までに畑仕事を終わらせたり、田植えをやってしまう目安にしていました。
夏至の時期はとても大事な時期な上に、大変忙しかったんですね!
夏至にする風習は?
冬至にはかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりしますが夏至にはそういう風習はないのでしょうか?
私は今まで夏至に何か特別な事をした事がありません。
昔の人はこの時期が農作業でとても忙しかったので、風習にまで時間を割く余裕がなかった為に冬至の様に広がらなかったとされています。
確かに、朝から晩まで体中を動かして忙しく働いて、疲れているのにそこまで手が回らないのもよく分かります。
海外に目を向けると、白夜の起こる北欧では夏至祭りは大事な行事として位置づけられています。
日本国内では、三重県伊勢市にある二見興玉神社では夏至の日の出に合わせて禊(みそぎ)を行う夏至祭が有名です。しかし、それ以外に有名なお祭りはなさそうです。
各地の夏至の食べ物は?
夏至の時期は農業の繁忙期だったということがわかりました。そのため、夏至の食べ物は農作業と関係が深いといえるでしょう。
その中でも有名なのは、関西で夏至にはタコを食べるという風習です。
タコの八本の足は吸盤でなかなかはがれない事から農作物、主に稲が根をはって地から離れないよう、地にしっかりと根付くようにとの願いが込められていたようです。
ちなみにタコには良質のたんぱく質がたくさん含まれていて疲労回復に作用します。一生懸命働いた体には理にかなった食べ物だったんですね!
関東では小麦粉で作ったお餅を神様にお供して豊作を願い、また田植えが無事に終わった感謝をしながらそれを食べました。
ちなみに関東では半夏生に食べる餅は小麦粉で作り小麦餅といいますが、奈良県や和歌山県のなどでは小麦ともち米を半分ずつ入れた餅を半夏生餅(さなぶり餅とも言う)といいこの時期に食べたそうです。
今の愛知県に相当する尾張地方では、無花果(いちじく)に田楽味噌を塗り半夏生の時期に食べたそうですよ。
半夏生餅のレシピ
今回は関西の半夏生餅のレシピを紹介します。下に写真があります。素朴で美味しそうですね。
“半夏生餅の作り方
材料:もち米 合
:つぶし小麦(小麦を皮ごとつぶした物) 5合
:きな粉、砂糖、塩 お好みで作り方
- もち米は洗って一晩水に浸ける
- つぶし小麦は2~3回洗って2時間水に浸ける
- ザルにあげてもち米の上につぶし小麦を乗せて1時間程蒸す
- 蒸しあがったら普通の餅と同じようにつく
- できたらきな粉をまぶして食べる
引用元:奈良県農業総合センター(http://www.pref.nara.jp/24593.htm)“
まとめ
夏至は昼が長い日との認識しかありませんでしたが、昔の人には夏至は農作物を作る上でとても大事で忙しい時期だったのですね!
今回分かった事は次の3つです。
- 夏至の時期は農業の繁忙期だった
- その為に夏至の風習は広がらなかった
- 各地の夏至の食べ物には農作業(とくに田植え)に意味をこめた
今回調べてみて、まだまだ日本には知らない風習がたくさんあるんだなと知りました。
その風習を知ればその日を迎えるにあたってただ過ごすのではなく、思いを馳せる事も出来るものだなと思いました。参考になりましたでしょうか?
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