責任のある仕事を担当したり、部下を持つということは、自分の仕事の成果が評価されていることの表れなので、やりがいのあることだと言えます。
当然、周囲からは期待されるのですが、それが重荷になってしまうと大きなストレスを抱えてしまうことになります。
そんなストレスを感じているときに、何となく胃腸の調子がよろしくない、と感じる方もいるようです。
……例えば、胃が痛いとか、食欲が落ちるとか、緊張すると下痢してしまう、といった症状ですね。
近年になってストレスが原因で急性胃腸炎になる人が増えてきました。
では、このストレス性の胃腸炎とはどういうものなのでしょうか? チェック方法などについて記事にしてみました。どうぞお付き合いください。
スポンサーリンク
ストレス性胃腸炎の症状チェック
ストレス性胃腸炎の症状には個人差がありますが、主に次のような症状があげられます。
- 胃がキリキリ痛くなる
- 胃がムカムカする
- 吐き気・胸やけ
- 胃もたれがする
- 食欲不振
- 腹部の膨満感
- 胃の不快感による睡眠障害
- 緊張すると下痢してしまう
極度のストレスを感じた時に、一番に影響が出るのが胃と腸なのです。
ここまで読んで、「あっ!この症状があるから、自分はストレス性胃腸炎かな?」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
上に挙げた症状は胃腸に病気(病態)があっても現れるものです。ストレス性胃腸炎と胃腸病との違いは器質的異常の有無が前提になります。
器質的異常(器質的疾患)とは、内視鏡検査などで病態が確認できることをいいます。例えば、胃潰瘍とかの病気があることをいいます。
器質的異常の有無を調べるには、内視鏡検査が手っ取り早いです。ストレス性胃腸炎と自分で判断してしまう前に、消化器内科にて医師の診察や内視鏡検査を受け、病態がないことを確認することが必要です。
もし、病態が確認できれば、まずそれを治療します。
ストレス性胃腸炎は胃の不快感や食欲不振が主な症状の「神経性胃炎」と、胃よりも下痢や便秘のように腸の方に不快感が出る「過敏性腸症候群」に分かれます。
テレビのCMでよく見る、緊張すると「お腹グルグルグル~~~~」は過敏性腸症候群ですね。
昔から男性はお腹が弱いと言われるように、女性より男性の方がストレスが腸に出やすいようです。
ストレス性胃腸炎の原因は、人間関係や激務による過重労働・失業状態や、家庭不和・緊張・不安・パニックなど心理的に追い詰められた時に、身体に現れる事が多いです。
「腸は第二の脳」と言われるように、胃腸と脳は自律神経を通じて密接に関係しています。これを「脳腸相関」(のうちょうそうかん)と呼ぶのですが、ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、胃腸が影響を受けてしまうんですね。
ストレス性胃腸炎を治療する方法は?
内臓に器質的異常がないのですから、病院に行って検査をしてもらっても「異常がない」と言われることがあります。胃腸薬を処方してもらっても、ストレス性胃腸炎の場合は症状が治まらない場合も多いようです。
この症状が続くようなら、神経内科や心療内科で精神安定剤を処方してもらうか、カウンセリングを受ける事になります。最近は、ストレス外来も出来ています。
鍼灸治療によって胃炎の回復を早め、完治までの時間を短縮させる事ができるという事で、鍼灸院に通う人もいます。
ストレスが原因なのですから、根治するにはそれを取り除くのが最善の方法です。
……とは言え、人と関わるのを止める事も仕事を辞める事も出来ないのが現実です。
ストレスを取り除くのではなく、うまくストレスと付き合って解消する事が治療の大前提です。それには、自分の為の時間を作る事です。
自律神経のバランスを整えることも大切です。自律神経には緊張したり、何かに集中しているときに優位になる交感神経と、リラックスしているときに優位になる副交感神経があります。
交感神経と副交感神経はあたかもシーソーのように、一方が優位になるともう一方は下がります。両者がいいバランスを保つことが大事です。
ストレス過多の人は交感神経が必要以上に優位であることが多く、バランスを欠いています。これが胃腸の働きを鈍らせることになります。
では、ストレス性胃腸炎の改善に役立つ生活習慣を見ていきましょう。
ONとOFFを使い分ける。
- 月~金曜日まで、目いっぱい仕事をしても土日は趣味の時間と決めていれば、平日の仕事のストレスが軽減します。
- 自分には趣味がないという人は散歩でもいいのです。散歩は副交感神経を優位にします。できれば、朝の出勤前に15分ほど散歩をしてみましょう。
自分一人で悩みを背負わない。
- 一人で悩むことは一番いけません。
仕事が重複してきつければ人に助けてもらう。人にうまく仕事を振れる人は仕事が出来る人です。 - 友人や家族に話を聞いてもらう。
私も以前は、仕事を家に持ち込まない事にしていました。そういう人は多いと思います。そうするうちにストレスがピークになって入院する場合もあります。家族に仕事の事を話すようになったら、気持ちが随分楽になりました。
リラックスできる時間を作る
- ぬるめの風呂に長めに入る。熱い風呂やシャワーのみで済ますことは、逆に交感神経を刺激してしまいます。
- 食事の早食いを止める。食事をゆっくり取ることは副交感神経を優位にします。
- 睡眠時間を十分に取る。よく寝ることは心身の回復を促します。
- ボーッと自分の好きな音楽を聴く、といった時間を取ることも有効です。
- 食欲不振があれば、食事の時刻を一定にし、間食は一切しないようにします。これは決まった時刻に食事をする習慣を持つことで、自律神経のバランスを正しく戻す狙いがあります。
その他気をつけることは?
- たばこを控える
- 香辛料などの刺激の強いものは食べない
- 生活のリズムを整える
- 疲れを溜め込まない
- 暴飲暴食をしない
まとめ
ストレスはどんな人にもあるものです。「私はストレスなんて感じたことがないわ!」と言う人でも、満員電車に乗れば不快ですし、寒い・暑いといった気候の変化を感じてもストレスなのです。
ストレスとは、生活上のプレッシャーの感覚です。
自分だけが……と思う事は強いプレッシャーになります。
心に余裕を持って、自分を大事にしてくださいね。
スポンサーリンク
コメント