昔はどこの家でも、暮れの大掃除の時には畳を上げて天日干しをしていました。一家総出で畳を表に出す作業をしたものです。(かなり古い話ですね)
その時に、畳の下の新聞紙も取り換えていましたが、最近このような風景はまったく見られなくなりましたね。
新築の家なのにカビが発生した話を聞くと、普通は「なんで?」となりますよね。
畳は、新しければ新しいほど湿気を吸うからです。新しい畳は最初の1,2年が要注意なんです。
では、発生してしまったカビを除去する方法と、その後の予防と対策について書いていきましょう。
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畳についたカビの取り方
現在使われている畳は、建材床(けんざいどこ)が主流です。
畳は、昔はわら床(わらを圧縮して畳の芯にしていた)で作っていましたが、現在の畳の芯はポリスチレンフォーム(発砲プラスチック系断熱材)を使っています。
この為、カビが生えているのは畳表(畳の表面)にしているイ草部分の事が多いと考えられます。畳の目に沿って、拭いていくだけでカビは除去できます。慌てないで次の方法を試してみましょう。
畳のカビが少量の場合
掃除機でカビを吸い取ってから、乾いた布で乾拭きします。1回で綺麗にならなかったら何回か繰り返してください。掃除機で先に吸い取るのが重要です。
畳を叩くのもダメです。カビの胞子が空気中に飛んでしまいます。
くれぐれもべちょべちょに濡れた雑巾で拭かない事。
畳は1枚に付き500ccの水分を吸収します。畳が湿った状態が長く続くとまたカビが発生してしまいます。湿気は畳によくないです。
カビの範囲が広い場合
消毒用エタノールを使って次の方法で除去します。
- 消毒用エタノールをカビ部分にスプレーします。
- たわしや歯ブラシで畳の目に沿ってこすります。
- 掃除機の中程度でカビを吸い取ります。
- 乾いた布で乾拭きします。
- 乾燥を十分します。(窓を開けて換気をします。)
消毒用エタノール(アルコール)は蒸発するのが早いのですが、このような作業をする時は、湿気の少ない晴れの日に行いましょう。
畳にカビが生えた時の対処法を解説した動画です。
掃除機を使ったら、掃除機のゴミのパックは捨てましょう。次に掃除をする時に、部屋中にカビ胞子をまき散らさない為です。
カビの範囲が酷い場合は、専門業者に相談しましょう。
今後の予防法は?畳にカビを生やさないために
カビの除去が出来たら、今後カビを発生させない為にカビ予防もしておきましょう。
酢やクエン酸は自然にも人体にも優しいカビ予防です。
クエン酸でカビ予防
クエン酸スプレー(水カップ1に対しクエン酸小さじ1をよく混ぜる)を布にスプレーして畳を拭きます。
このクエン酸スプレーを常備して置くと色々な場所のお掃除に使えるので便利です。クエン酸はスーパーやホームセンターで買えますし、無い場合はお酢(穀物酢限定)でも代用できます。
毎日のお掃除もカビ予防になります。
畳は毎日干す訳にはいきませんが掃除機を毎日掛けて、天気のいい日には窓を開け、お湯で固く絞った雑巾で畳を拭くとダニの予防にもなります。
壁に除湿材を貼る方法もあります。
湿気の量が常時多い家には、除湿材を壁に貼って除湿対策をする方法があります。
今人気の「エコカラット」は日曜大工でも貼れるので、湿気の多い部屋や押し入れ・クローゼットなどに貼る人が増えているそうです。臭いも吸収して、季節による湿度の変化も調節するようです。
このほか、湿気対策として日常で気をつけることとしては次の点が挙げられます。
- 畳の部屋の風通しをよくする
- 部屋干しをしない
- 布団を敷きっぱなしの万年床をやめる
塩素系のカビ取り剤を使ったらダメ!
畳にカビが生えてしまったからと言って、慌ててお風呂のカビキラーのような塩素系の物を吹きつけてはいけません。
塩素系カビ取り剤は、酸性の物と混ざると有害ガス(塩素ガス)を発生して体に悪影響をもたらします。
また、使用した後はしっかり洗い流さないといけませんので、畳を洗う訳にはいきませんからやはり使用はやめた方が良いでしょう。
特に、小さなお子さんがいる家庭では、畳に落ちている物を口に運んだりする事も有るので止めましょう。
このような塩素系の物は、畳を傷める原因にもなります。
まとめ
気密性が高まった住宅は私たちの生活を楽にしてくれた反面、カビやダニたちにも快適な生活空間になっているようです。
畳は、素足で歩く事も有るので、カビには余計に神経を使います。
初期の段階のカビなら、クエン酸などの体に優しいもので除去できます。
また、カビやダニは乾燥を嫌いますので、空気の通りを良くして畳をいつも乾燥させていれば菌の繁殖も防げます。
重曹を部屋にまんべんなく撒いてから半日ほど放置して、掃除機で丁寧に吸い取る事で、畳の目に詰まったほこりや湿気をとる事も出来ます。
このようなちょっとした工夫で嫌なカビの発生も止める事が出来ますので、大げさにならないうちに対処しましょう。
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