キウイは甘さの中に酸味があり、栄養も豊富なフルーツですが、アレルギーを持っている人は注意しないといけません。
アレルギーというと花粉症を思い出す人が多いかもしれませんが、キウイを食べるとアレルギーを発症してしまうケースがあり、これをキウイアレルギーと呼びます。より広く、フルーツアレルギーと呼ぶこともあります。
比較的軽いアレルギーの症状として、耳のかゆみ、喉の違和感、イガイガがありますが、他にどんな症状があるのでしょうか?
そして自分がキウイアレルギーかどうかを見極めるには何をすればよいでしょうか?
キウイアレルギーが酷くなると、呼吸困難になることがあります。食物によるアナフィラキシーショックは最悪の場合、死亡するリスクもあり、決して侮ってはいけません。
記事ではキウイアレルギーの症状と見極め方を書いていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
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キウイアレルギーの症状とは?
キウイアレルギーを持つ人がキウイを食べてしまうと、程なくして次の症状が起こるといわれています。
- 喉がかゆくなる、イガイガする
- 耳がかゆくなる、耳が遠くなる
- じんましんが起こる
- 気持ちが悪くなる、吐き気、腹痛、下痢
- 気管支喘息のような症状
- 息苦しくなる、呼吸困難になる
では、これらの症状について順に見ていきましょう。
喉や耳に症状が出たとき
喉のイガイガや違和感は、キウイアレルギーの症状のうちでも比較的軽微なものです。
喉がかゆくなったりイガイガしたり、舌がピリピリします。食べたキウイが口内や喉を通過するときに現れるので、アレルギーの起こるタイミングは口に入れて飲み込んだときです。
耳にキウイは通過しませんが、タイミングとしては喉と同様、食べてすぐと言ってよいでしょう。
もしかしたら、「耳がかゆくなる」というのは、キウイを食べるとそういうことが起こる果物なんだと見逃していたかもしれません。これは、アレルギーがあるのに、たまたま「耳がかゆくなる」程度で済んでいたのでしょう。
しかし、喉の症状のうちでも、息苦しくなるとか、気管支喘息のような症状が出たときは重い症状ですから、すぐに病院へ行くようにします。
息苦しくなる、というのは、先に挙げた呼吸困難につながる危険性を持っています。
胃腸に症状が出たとき
アレルギー物質が胃腸に作用したときは、吐き気、胃痛、腹痛、下痢といった胃腸症状として現れることがあります。アレルギー症状としてはやや重くなります。
症状の起こるタイミングは、キウイを食べて数十分後程度と考えてよいでしょう。
全身症状が出たとき
じんましんが出たときは全身症状になります。全身もしくは身体の一部にかゆみが起こります。
キウイで起こることはまれと言われますが、全身で同時にアレルギー症状が起こるアナフィラキシーショックのリスクもあります。このときはすぐに救急車を呼ばないといけません。
キウイアレルギーの対処法
では、自分や子供がキウイアレルギーかも?…と思ったら、どうすればいいでしょうか?
真っ先にすることはすぐに食べるのをやめることです。口の中に入っていたら、飲み込むのをやめます。キウイアレルギーの原因はタンパク質なので、熱い飲み物を飲むことでタンパク質を不活性化させます。
小さい子供の場合は、異常であると本人が気付くのが難しいと思いますので、親御さんが子供の様子をよく見てあげてください。
症状が重いのであれば、早めに病院に行くことが必要です。アナフィラキシーショックが現れた場合はすぐに救急車を呼びます。
容赦なくやってくる花粉と違って、食べ物は自分の意志で避けることが可能です。キウイを食べて違和感を感じたなら、今後は食べないことが賢明です。好物の場合は辛いですが、ガマンしましょう。
念のため、病院でアレルギー検査をしてもらうとよいでしょう。アレルギー検査は内科、皮膚科、アレルギー科でしてもらえます (来院の前にアレルギー検査ができるか聞いておきましょう)。
子供がキウイアレルギーということがわかったら、学校にも伝えておきます。給食でキウイが出ても食べてはいけません。
一説には、花粉症があるとフルーツアレルギーのリスクが高まると言われています。とくにシラカバ花粉症があると、約半数にキウイアレルギーのリスクがあるそうです。
国民病と言われて久しい花粉症にフルーツアレルギーのリスクがあると言われると、人ごとでないと思われるかもしれません。先に挙げた口や喉の症状から、キウイアレルギーは口腔アレルギーと呼ばれることもあります。
なぜキウイでアレルギーが起こるのか?
一般に、アレルギーはアレルゲンと呼ばれるアレルギー物質によって起こります。体外から来たアレルゲンを異物であると身体がみなしてしまい、免疫反応が異常に作用することでアレルギー症状として現れます。
キウイの場合、キウイに含まれるタンパク質のアクチニジンがアレルゲンになります。アクチニジンはキウイに含まれるタンパク質の50%を占めます。特に、緑色のキウイにアクチニジンを多く含みます。
パイナップルやイチジクにもアクチニジンは含まれます。これらの果物を食べてアレルギーが起こる原因もアクチニジンによるものです。
アクチニジンはタンパク質分解酵素で、胃の中で肉類(つまりタンパク質)の分解を助けることから、胃腸への負担軽減になると言われています。キウイの皮をむくとき手がヌルヌルするのは、アクチニジンによって皮膚のタンパク質が少し分解されるからです。
アクチニジンは70℃以上に加熱すると、酵素としての働きが失われます。生のキウイにはアレルギーがあっても、加熱調理したキウイだとアレルギー症状が起こらないことがあります。
従って、先の対処法で記したように、キウイを食べて違和感を感じたら、70℃以上の熱い飲み物を飲んでアクチニジンを不活性化させます。
まとめ
キウイアレルギーの症状を中心に、対処法そしてアレルギーの原因について記事にしました。
- キウイアレルギーの症状として、喉や耳のかゆみ、じんましんがある
- 症状が酷くなると、胃腸症状や呼吸困難、アナフィラキシーショックのリスクもある
- アレルギーの疑いがあればアレルギー検査を受けるのがおすすめ
- 加熱したキウイだとアレルギーの症状が出ないことがある
キウイは美味しくて栄養もあるフルーツですが、食品のアレルギー表示にも挙がっているので、アレルギー体質の方は注意しないといけません。
キウイを食べて何か違和感を感じたら、病院を受診しましょう。そして、アレルギーか否かを見極めるために検査を受けた方がよいです。とくに小さな子供には注意してあげたいですね。
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