冥王星が準惑星になった理由!それは天文学の進歩による決断だった?

「水金地火木土天海冥」(すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい・めい)って、聞いたことありますか?

そう、太陽系の惑星を太陽から近い順に並べていったものでした

「〜でした」…ここが過去形なのがミソです。

長い間、太陽系の惑星は9個とされてきました。私が子供の頃だった 1970年代~80年代によく読んでいた宇宙の図鑑や百科事典でも、これが「常識」と言われて疑いませんでした。

しかし、2006年に太陽から最も遠い冥王星は惑星ではなく、「準惑星」という分類がなされることが決まりました。

惑星から、惑星に準ずる「準惑星」になったことで、格下げされた気分がして少しさみしい気分になったことを覚えています。

では、なぜ準惑星に分類されることになったのでしょうか? 記事ではこの点を説明していきたいと思います。どうぞお付き合いください。


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冥王星を準惑星に分類した理由

冥王星は地球と太陽間の距離の約40倍のところで太陽の周りを回っています。(太陽の周りを回ることを公転(こうてん)といいます)

軌道を一周する公転周期は 247年です。冥王星が発見されたのは 1930年なので、発見されてからまだ一周もしていないのです。

そして、発見されてから76年後の2006年の国際天文学連合で、冥王星は惑星から準惑星に分類されることが決まりました。

その理由は、惑星の定義を変えたことによります。その惑星の定義とはこちら。

  1. 太陽の周りを公転していること
  2. 球形になる質量を持っていること
  3. 公転軌道上に他の天体がないこと
  4. 衛星ではないこと

1つ目と4つ目はイメージできると思います。

2つ目ですが、天体の大きさが小さく、質量が小さいと球形になりません。

火星と木星の間には小惑星帯があり、小さな天体が数多く存在しています。これらは質量が小さく、そのため重力も小さくなり、球形になっていないことが多いです。たとえるなら、ジャガイモのような形の天体でしょうか。なので、ある程度の大きさがあることを要請しているといえます。

3つ目ですが、例えば地球の公転軌道上には地球しかありません。月は衛星なので除外します。小惑星も太陽の周りを回っているのですが、公転軌道上に他の小惑星もあるので、この点からも小惑星は惑星ではありません。

(冥王星の写真)

では、冥王星はどうなのかというと、1つ目は上に書いたように 247年の公転周期で太陽の周りを公転していますから OK ですし、衛星でもありません。

2つ目はどうでしょうか。望遠鏡での観測により球形であることがわかっていました。また、2015年にはアメリカの探査機ニューホライズンズが冥王星の近くで写真を撮り、これまでにない鮮明な画像を地球に送ってきました。

そうなると、3が問題になるわけです。次に、この点についてもう少し見ていきましょう。

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冥王星に似た天体が次々と発見された!

再び、私が子供の頃の記憶に戻りますが、冥王星のさらに外側に「第10の惑星」があるのかが謎になっていました。1980年代はまだよくわかっていなかったのです。

ところが、1990年代以降になると望遠鏡の進歩により、冥王星の軌道の近くに似た天体がいくつか発見されました。その一つが冥王星の外側にあるエリスという天体です。もし、私が子供の頃に発見されていたら「第10惑星」ということで大きなニュースになっていたかもしれません。

この「軌道の近くに似た天体がある」というのが、定義の3に引っかかってくるわけです。

また、小惑星帯にはケレスという最大の小惑星があることも古くから知られていました。

天文学者たちの間では、小惑星のケレスも含めて惑星に分類してしまおうという意見もあったのですが、結局3つ目の定義が採用されることになり、冥王星は惑星の定義を満たさないということになったのです。(エリスもケレスも満たしません)

冥王星の大きさが想像していたより小さかったというのも、準惑星への後押しになったようです。謎が多かった頃は、地球と同じくらいの大きさと考えられてきました。しかし、詳しい観測により、実は月よりも小さいことがわかったのです。

地球型惑星と木星型惑星

太陽系の惑星は大きく2つに分類できます。地球型惑星と木星型惑星です。

地球型惑星とは簡単に言うと岩石の惑星です。

「地球には海があるじゃないか?」と思うかもしれませんが、これは地球が太陽と絶妙な距離にあるため、液体の水を持つことができたのです。

地球型惑星には地球の他、水星、金星、火星があてはまります。いずれも岩石の惑星です。地球には空気の大気が、金星には二酸化炭素の大気がありますが、水星と火星には大気がほとんどありません。

次に、木星型惑星とは簡単に言うと厚い大気の惑星です。木星、土星、天王星、海王星があてはまります。

木星を望遠鏡で見るとしましま模様が見えます。これは厚い水素とヘリウムの大気があるためです。大気の底には惑星の本体となる岩石があると考えられていますが、まだよくわかっていないようです。

冥王星は岩石の天体なので、かつては地球型惑星と分類されていました。

「なぜ一番遠いのに地球と同じ岩石の天体なんだろう?」と、子供の頃に疑問を持っていましたが、当時の科学では答えがありませんでした。

まとめ

冥王星は「銀河鉄道999」の停車駅にも登場し、「太陽系で最も遠い惑星」の地位を長い間持っていました。しかし、2006年に準惑星に分類され、惑星ではなくなってしまいました。

記事の始まりでは「さみしい」と表現したのですが、前向きに考えると、これは天文学の進歩による決断だったといえるかもしれません。

長い間謎だった冥王星の外側の天体が発見されたこと。存在が謎だったことが常識に変わりました。これは大きな進歩なのではないでしょうか!

新しい発見により、新しい常識が生まれる。私は面白さを感じずにはいられないのですが、この記事を読んだ皆さんはどう感じたでしょうか?


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