TVの健康番組で漢方薬を特集することが増えていますよね。
副作用が西洋薬と比べて小さそう、体質改善になる、自然のものを使っている…等の理由で、患者さんにも好まれているようです。また医師も西洋薬と合わせて漢方薬を処方することがしばしばあります。
医師が処方するものや薬局で買える漢方薬のほとんどは、エキス剤と呼ばれるものです。これは漢方薬の成分をフリーズドライ製法で顆粒にしたものです。
エキス剤は手軽で飲みやすいのですが、より本格的に漢方薬が処方されるときは煎じ薬として処方されます。
煎じ薬は煎じる手間が掛かるのですが、エキス剤と比べて効果が3倍あるとされます。また、患者さんの症状によって生薬の成分を微調整できるという利点があります。エキス剤では微調整できません。
しかし、この煎じるという作業は面倒です。慣れるまでコツが要りますし、サッとすぐに飲めるエキス剤と違って、煎じるのに時間がかかります。
管理人も煎じ薬を飲み続けています。「煎じる」ことの少しでも参考になればと思い、漢方薬の煎じ方について記事にしました。どうぞお付き合いください。
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土瓶で漢方薬を煎じる方法
漢方薬を煎じるには、土瓶の他にホーロー容器やガラス容器を用いる方法があります。入れ物が違うだけでやり方は同じですので、ここでは典型的な土瓶を使う方法を説明します。
土瓶がない場合はヤカンでもOKです。ただし、ステンレス製のものに限ります。鉄製や銅製のヤカンは漢方薬の効果が落ちるため、使えません。また、土鍋でも構いません。
煎じ薬によって違いがあるかもしれませんが、多くの場合、煎じ方は次の通りです。
- 土瓶に水道水を600mL入れる。ミネラルウォーターやアルカリイオン水はダメ。
- 漢方薬を入れる。
- ガスコンロのとろ火で熱し、10分くらいで沸騰する火加減にする。
- 沸騰したら30分ほどかけて、水が半量の300mLになるまで煎じる。
単純計算で40分かかります。その中でも面倒なのがガスコンロの火加減です。10分で沸騰して、30分で半量になる火加減ってどんなのでしょうか? 管理人もここは試行錯誤しました。
続いて、その試行錯誤の成果を紹介していきます。
土瓶に水道水600mLと漢方薬を入れる
これが管理人の服用している漢方薬です。ティーバッグに入っていて、これをそのまま土瓶に入れます。
土瓶に水道水600mLを入れ、漢方薬を入れます。このとき、まず半量の300mLの水を入れ、土瓶の中で出来上がりがどれくらいの水位になっているか見ておくとよいでしょう。
土瓶は漢方薬局や陶器の専門店で買えますが、amazonにも売っています。
ガスコンロのとろ火で熱する
この「とろ火」がくせ者で、初めて煎じるときはコンロの前で火加減を見ながら沸騰するまでの時間を計ります。
ちなみに、管理人宅のガスコンロでは次の写真の火加減で沸騰まで10分です。
うーん、写真なのでちょっとわかりにくいかもしれないですね。実際の火は写真より出ています。写真は弱めに写っています。
30分かけて半量の300mLになるまで煎じる
薬局でもらった煎じ方の説明書では、「土瓶にフタをせずコトコトと煎じてください」と書いてありました。勢いよく沸騰させてはダメです。強すぎると煎じる時間が短くなり、漢方薬の成分が十分に抽出されません。
ここは充分に、30分ほど時間をかけて煎じる必要があります。が、この「コトコトと」と言われてもよくわかりません。
そこで20秒ほどですが「コトコトと煎じる」動画を撮りました。参考にしてください。
こんな感じで沸騰するように、ガスコンロの火加減を調整します。30分くらいで水が半量の300mLになるようにします。
ガスコンロの栓のひねり具合でちょうどよい位置がわかったら、その位置を覚えておくようにします。
完成~飲み方
30分後、水が半量になるまで煎じることができました。3回服用の場合は100mLずつ、2回服用の場合は150mLずつになるよう分けます。
煎じた漢方薬は冷蔵庫に入れておいてもよいですが、24時間以内に飲みきるようにします。600Wの電子レンジで1分ほど加熱すると人肌程度の温度になります。冷たいままでも構いませんが、暖かい方が胃腸にやさしいです。
そして、漢方薬は原則として空腹時に飲むのがよいとされます。これは食前とは違っていて、食間という意味です。
ただし、最近の研究では必ずしも空腹時でなくてもよいらしいです。飲むのを忘れたら食後でもよいそうです。
自動煎じ器を用いて漢方薬を煎じる方法
土瓶とガスコンロを使って煎じる方法を説明しましたが、何と言っても面倒なのが火加減です。ガスを使っているので火元に注意する必要があります。ガスをつけてそのままほったらかしというのは危ないです。
体質改善を目的とする漢方薬では、数ヶ月かそれ以上の期間程度飲み続けることがよくあります。長期間にわたって毎日こんな手間をかけるのは正直非常に面倒くさいです。
そこで、電気を使った自動煎じ器があります。管理人も3ヶ月ほどガスコンロで煎じたあと購入しました。使ってみたらこんな便利なものはありません!
自動煎じ器、象印製とハリオ製のどっちがいい?
自動煎じ器として市場に出ているものとして、象印製とハリオ製の2つがあります。amazonの価格では象印製の「文火楽々」が17,000円台、ハリオ製の「マイコン煎じ器3」が12,000円台で5,000円ほどの差があります。
(※ 価格は私が購入した時点のものです)
評価はどちらも星4つで、どちらを買ってもハズレはなさそうです。レビューも参考にしましたが、管理人もどちらを購入するか非常に悩みました。
悩んだ結果、購入したのは象印製でした。以下、象印製のメリットとデメリットとして感じたことを挙げます。
メリット
- タイマーが1分刻み。タイマーには沸騰してから煎じる時間を設定する。ちなみにハリオ製のタイマーは10分刻み。
- できあがり時間がハリオ製より短そう。(ハリオ製は300mLに煎じるのに90分かかるとレビューにあり)
- 容器が円筒形で洗いやすそう。
デメリット
- 値段が高い。
- 容器を含めた本体サイズがハリオ製より大きい。
こうして見ると、5,000円の価格差以外は大きなデメリットはありません。
象印製では、タイマーで設定した煎じ時間に加えて沸騰までの時間約25分がかかります。が、煎じ時間30分を足しても55分ですので、ハリオ製より短いといえます。(ハリオ製は沸騰を含めた加熱時間を設定する)
残り1分を切ると、1秒ごとにカウントダウンしてくれます。
ガスコンロの40分より時間はかかりますが、火加減の調整を一切しなくていいメリットは他に代えることはできません。管理人は風呂に入る前にセットしておくようにしています。
(水と漢方薬を入れてから緑色のスタートボタンを押す。)
一点注意が必要なのは、象印製は還流式という方式をとっています。これは蒸発した水分を再度水滴として容器内に戻すという方式です。したがって、600mLの水から300mLのできあがりとならない場合があります。
(あと9分…)
煎じる漢方薬の重さによって最初に入れる水の量が変わります。管理人の場合は500mLとすると300mLになります。重さと水の量の関係は取扱説明書に載っていますが、最初すこし試行錯誤がいるかもしれません。
まとめ
漢方薬の煎じ方について記事にしました。
- 本格的に漢方薬を飲むなら煎じ薬がよい
- ガスコンロで煎じる場合は火加減が重要(難しい?)
- 長期間にわたって煎じ薬を飲むなら自動煎じ器を使おう
管理人自身が、数ヶ月前に初めて煎じ薬を出されました。毎日のことなので、煎じる作業を継続できるだろうかと不安になりました。
試行錯誤の結果を記事として残すことで、初めて煎じ薬を出された方に参考になればと思いました。
煎じ薬を飲むということは何らかの病気や体調不良でお悩みかと思います。漢方薬は気長に継続して飲むことが必要といわれます。皆さんのお薬が効いてくれますように!
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