ひな祭りには菱餅を飾りますよね? 大人は長年見ているから当たり前だと思っていても、新しいことに興味を持つ子供から菱餅を飾る理由を聞かれて困ってしまう事があるかもしれません。
大人でもそんな質問に答えられる人は少ないのではないでしょうか。ひな祭りには菱餅なんだと思い込んでいて、「どうして?」と疑問を持ったことはないかもしれません。
節句には、それにちなんだ食べ物があります。記事では菱餅に関する次の疑問
菱餅が3色になったのはなぜ?
菱餅はなぜひし形なの?
…などの回答を書いてみました。どうぞ子供に聞かせてあげてください。
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菱餅の3色の由来とは?
菱餅はピンク・白・緑の3色になっています。
ピンクは、魔除けや健康を祝うための桃の花。
白は、清らかでけがれが無い純白の白い雪。
緑は春先に芽を出す新芽。
3色合わせての意味は「桃の花がほころび残雪の下に緑が芽吹く」となり、春の訪れと共に、こどもの健やかな成長を祝う気持ちを表しています。
緑の草餅は、初めは母子草(ははこぐさ)で作った草餅でしたが、「母と子を臼と杵でつく」のは良くないとして、平安時代ごろからヨモギで作られるようになりました。しかし、その後も地方によっては母子草で作られている所もあります。
母子草の写真:
元々丸い形の草餅だけだったものが、江戸時代の初め頃にヒシの実を入れた白い餅を組み合わせた2段のものや、緑と白を交互に入れた3段や5段のひし形の餅に変わっていきます。
菱餅の栄養成分については ⇒ ひな祭りの菱餅の食べ方!ちぎって食べるのがいいって本当?
明治時代になって、これにくちなしの実を入れたピンクの3色の菱餅になりました。この3色は今ではひな祭りの色として定着していますね。
菱形になった由来は?
菱餅はその名の通りひし形をしていますが、それには理由があります。
餅が菱形なのは、大切な心臓(心)を表しているともいわれ邪気をはらおうとする強い気持ちや娘の無事の成長を願う気持ちのあらわれとも言われています。
また、角が尖っているのは、魔除けを表しているとも言われます。
ヒシの実の果実を横から見るとひし形をしています。ここからひし形になったという説もあります。
結局どれが正しいかはわかりませんが、どちらにせよ、娘の健康を思う親の気持ちに変わりはありません。桃の節句を迎えることで、昔の人は娘の健やかな成長を祝ったのですね。
菱の実の写真:
菱餅はいつから飾られるようになった?
平安時代に遣唐使(けんとうし)によって日本に伝えられ、日本の風習にもあった禊(みそぎ)の神事がひな祭りの由来ですが、それと共に菱餅も中国から伝えられたものです。
江戸時代初期にはおだいりさまとお雛様だけだった雛段飾りが、江戸時代後期になり、おつきの人形やお道具が飾られるようになり、段々に雛段が豪華になっていきます。
その頃から菱餅も雛段に飾られるようになりました。
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まとめ
ひな祭りのお飾りやそれにちなんだお料理には、娘の成長を心から願い、良いお婿さんに恵まれますようにと思う親の気持ちが込められています。
雪に閉ざされた冬から春へと変わり新芽が芽生えるなんて、なんと風上豊かな説でしょう。
川で身を清めて帰る途中で見つけた母子草をお餅に混ぜたという説もあるそうですが、これもいかにもひな祭りの心情って感じで私は好きです。
どんなものでも由来を知る事で、今まで当たり前に食していたものが違った味わいになるのも不思議ですね。
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